私は一年前の今日、ここに連れ込まれた。
- 2017/05/30
- 22:01

突然だが、帆立のヤツはこそこそするのが下手だ。下手過ぎる。なのに本人は隠れて行動できているつもりなのだろうからタチが悪い。そんな御多分に漏れず、今日も帆立のヤツは居間で周りを見回した後、そそくさと玄関から出て行った。その際玄関の戸を音を立てずに閉めたことからコソコソしたいのは伺える。しかしだ。ミハル『相棒さん、何も言わずにどこ行ったんスかね?』私にはおろか、縁側で私と話していたミハルにもバッチリバ...
ミハルとチビッ子軍団は檜舞台に立つ
- 2017/05/16
- 17:29

寒さも幾分か和らいできたある日の昼下がり。新入りであるミハルは、この数日ですっかり仲良くなったホンゴーと一緒に居りましたホンゴー『おう、じゃあこれからミヅキたち呼んでミハルの事紹介するで。余興のプランは小澄の嬢ちゃんの時と同じや。まあ任せとき。何か質問とかあれば今のうち聞いとくで。』ミハル『はい先輩!そのプランは一体どんな感じのプランっスか!ミスの無いように詳細を知りたいッス!』ホンゴー『ええ心掛...
ミハルとチビッ子軍団
- 2017/02/05
- 22:03

晴れてミハルの相棒となってから数日後の事。数少ない――というかたった一つの武器を生かすにあたり、私たちは様々な試行錯誤を重ねた。最初は『勢いを生かす芸』という条件ならば今流行りのサンシャイン○崎はどうかという意見が強かったが、あの芸はああ見えて間の持ち方等が厳しく初心者向けでないという結論に至った。それに何より、あの芸はスベッた場合のリカバリーが利かなすぎる。そんな訳で、心許なくはあるがプランは私が...
準社員は娘の保護者にはなれなかった。
- 2017/01/19
- 17:35

一月半ば。私はリビングで一人の娘さんと向かい合っていた。それはミヅキでもなければナツメでもなく、ナツキとも違う。かと言ってチビッコ軍団の誰かでもない。私が向き合っていたのは、何を隠そう新しい娘さんである。そう、私はまた新しい家族を迎え入れようとしていた。帆立『はじめまして。私は帆立と言うものです。好きに呼んで頂いて構いません。そして何より、私の元へ来てくださり本当にありがとうございます。貴女の事を...
八月十四日(二日にやるべき内容)
- 2016/08/14
- 18:43

夏です。外ではセミが鳴き、子供が半袖半ズボンで走り回るまさに夏真っ盛り。学生でなくとも気分を高揚させ、開放的な気分にさせる季節です。それはここの住人達も例外では無い様で、みんな思い思いに夏の昼下がりを過ごしていました。しかし、そんな陽気な雰囲気とは真逆の陰鬱な雰囲気を纏っている人物が居ました。その人物は、楽しそうに過ごしている皆を見守るように眺めていますが、何かを話し出そうとしているようにも見えま...